世界の中心で、愛を叫ぶ :: 綾瀬はるか
by 片山 恭一 2003年作品
巷では「セカチュー」と呼ばれ、ロングセラーというかロングブームを巻き起こしている作品である。本来であれば小説の王子様で紹介すべきかも知れないが、私はそれを読んでいない。
おそらく大部分の人がそうであるように、小説、映画ではなくテレビドラマで初めてこの作品に接した。いや、300万部を超える大ベストセラー小説なので、大部分というのは語弊があるか。
おそらく大部分の人がそうであるように、小説、映画ではなくテレビドラマで初めてこの作品に接した。いや、300万部を超える大ベストセラー小説なので、大部分というのは語弊があるか。
大ベストセラー作品なので当然興味は持ったのだが、小説に対する周りの評価は賛否両論、むしろ否の方が多かったくらいなので小説を読もうという気にならなかったという事実はある。
そして、新世紀エヴァンゲリオンのページでも触れたように、タイトルが「世界の中心でアイを叫んだけもの(エヴァ)」、「世界の中心で愛をさけんだけもの」という元ネタありきのものを堂々と掲げているという点にも反感を持ったため、 お金を払って映画を見に行くという気にもならなかったので、一番お手軽なテレビドラマという形で初めてこの作品に触れた。
「冬ソナ」こと「冬のソナタ」に対して日本90年代バブル期のトレンディドラマという評価がある。あるいは80年代少翼}ンガの世界観もあるという評もある。
それに倣えば、この「セカチュー」は80年代純愛少年マンガのテイストか。舞台となっている、というか主人公と自分は完全に同世代(同い年)のため余計にそう感じるのかも知れないが、テレビで見られるその映像はどこか郷愁を誘うものがある。
テレビ版の描写はこっ恥ずかしいのではあるが、自分の青春時代と見事に重なってしまい、郷愁というか自分の失ってしまったものがそこにある、という感覚に陥る人は少なからずいると思う。その「共感」がここまでのブームを呼び、歴史に残るベストセラーとして商業的な成功を収めたのであろう。
文学的な評価は無くとも、共感できる人が多いということは間違いなく成功作である。
少なくともテレビ版については私はかなり好きになった。小説を読む気になるかは未だ不明であるが。
勢いあまって、アキ役の 綾瀬はるか批評ページも作ってしまいました。
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コメント(2)
私もこの評論には意を同じくしました。原作、映画、テレビと進むにつれ対象年齢の変化とメッセージの明確化がなされ、原作よりもテレビドラマの方がはるかに共感が持てます。また、私たちの世代には同じテレビドラマで思春期に感動した「愛と死を見つめて」を彷彿とさせます。どちらにしても難病によって引き裂かれた純愛に涙し、医学の進歩へ何か行動したいとの衝動が広がれば作品の価値はまた新たなもとのなるのではないでしょうか。
エヴァのタイトルだってパクリじゃない(笑)